フリーランスが知っておくべき法律&契約知識!トラブルを防ぐために押さえておきたいポイント

1. フリーランスの契約トラブル、避けるための基本
フリーランスの世界、自由で気楽な反面、契約トラブルに巻き込まれると大変なことになります。私もフリーランスになりたての頃、「契約書?まあ、そんな大げさなことしなくても…」なんて甘く見ていたら、しっかり痛い目を見ました。
「報酬が支払われない」「仕事の範囲がズルズル広がる」「突然の契約打ち切り」…こうしたトラブルは、しっかり法律と契約の基本を押さえておけば防げるものです。本記事では、そんな失敗を未然に防ぐための法律知識と契約のコツを紹介します。
2. まずはここから!業務委託契約の基本
フリーランスが仕事をする際、最もよく使われるのが「業務委託契約」です。サラリーマンと違い、雇用契約ではないため、労働基準法の保護が受けられません。つまり、「会社が守ってくれる」と思ったら大間違い!
業務委託契約の基本を押さえておきましょう。
2.1 業務委託契約とは?
業務委託契約とは、「Aさん(フリーランス)がB社(クライアント)から業務を依頼され、その成果を提供する契約」です。雇用契約ではないので、働く時間や場所の拘束はありません。
主な種類として、以下の2つがあります。
- 請負契約
成果物(納品物)に対して報酬が支払われる
納品しないと報酬が発生しない - 準委任契約
業務の遂行に対して報酬が支払われる
成果物がなくても、働いた分の報酬が発生
フリーランスエンジニアなら、システム開発やデザイン制作は「請負契約」、コンサル業務や保守作業は「準委任契約」となることが多いです。
3. 契約トラブルを回避するためのチェックリスト
契約トラブルを防ぐには、契約書の内容をしっかり確認することが重要です。以下のポイントを見落とさないようにしましょう。
3.1 契約書で確認すべきポイント
- 契約の種類(請負or準委任)
- 業務範囲(何をどこまでやるのか)
- 納期(締め切りと延長の条件)
- 報酬(支払いサイト・金額・振込日)
- 契約解除の条件(キャンセルや違約金)
- 知的財産権の帰属(制作物の権利)
- 秘密保持(情報漏洩の禁止)
これをすべて明記しておけば、「言った・言わない」のトラブルは防げます。
4. 実録!私が体験した契約トラブル
フリーランスになりたての頃、私はある企業から「ちょっとした改修作業」を頼まれました。口約束で「5万円くらいでお願い!」と言われ、「まあ簡単だし」と請け負いました。
しかし、案件が進むにつれて…
- 「ついでにここも直してほしい」
- 「この仕様も入れておいて」
- 「え?追加料金?そんなの聞いてないよ?」
…気づけば倍以上の作業量になり、結局、割に合わない報酬で終わりました。
このとき学んだことは、「契約書は絶対に交わすべし!」ということ。相手がどんなに良い人でも、ビジネスはビジネス。書面で確認しないと、後から揉めます。
5. 契約書がない場合の対応策
とはいえ、小規模案件では契約書が交わされないこともあります。そんなときでも、最低限これをしておけば安心です。
- メールやチャットで証拠を残す
口約束だけでなく、必ず「この内容で進めます」とテキストで確認 - 簡単な契約書を作成する
たとえば、GoogleドキュメントやPDFで簡単な契約書を作成し、クライアントに確認してもらう - 発注書・請求書を発行する
これがあれば、「この仕事をやった」という証明になる
契約書なしの案件も多いですが、最低限の証拠は残しておきましょう。
6. フリーランスを守る法律!知っておくべきポイント
フリーランスに関連する法律も押さえておきましょう。最近は「フリーランス新法」も話題になっています。
6.1 フリーランスを守る法律
- 下請法:企業がフリーランスに対して不当な支払い遅延や報酬未払いをした場合に適用される
- 労働基準法(適用外):フリーランスには適用されないが、契約次第では労働者とみなされることも
- 民法(契約法):契約内容に基づいて、請求や違約金を求めることができる
- フリーランス新法(2023年施行予定):報酬の遅延やハラスメント行為の禁止を強化
これらの法律を理解しておけば、もしトラブルが起きても対応しやすくなります。
7. ここまでおまとめ:フリーランスは契約と法律を味方につけよう!
フリーランスは自由ですが、そのぶん自己防衛が必須です。
ポイントのおさらい
- 業務委託契約は「請負」と「準委任」の違いを理解
- 契約書は絶対に確認し、トラブル防止のために証拠を残す
- もし契約書がなくても、メールや発注書で対応
- フリーランスに関係する法律を知り、報酬未払いなどの対策をとる
「自由に働きたい!」と思ってフリーランスになったのに、トラブル続きでは本末転倒。賢く契約し、法律を味方につけて、安心して仕事を進めましょう!
8. もし契約トラブルに巻き込まれたら?実践的な対応策
どれだけ気をつけても、フリーランスをやっていると契約トラブルは避けられないもの。
特にエンジニアの場合、開発途中で「やっぱり仕様変更したいんですが…」と無茶ぶりされることは日常茶飯事。
じゃあ、万が一トラブルに巻き込まれたとき、どうやって対処するべきか?
8.1 報酬未払いの対策
これはフリーランスにとって最大のリスクの一つ。
「振り込みますね!」と言われたのに、待てど暮らせど振り込まれない…そんな経験、ありませんか?
私も過去に「支払いは月末にします」と言われ、気づけば3ヶ月待たされたことがありました(結局回収できたけど…)。
未払いを防ぐための対策
- 前払い・着手金をもらう(契約時に50%前払いを交渉)
- 支払い期限を明確にする(「月末」ではなく「〇月〇日まで」と記載)
- 請求書の発行を徹底する(「言った・言わない」を防ぐ)
- 支払い遅延には催促する(遠慮せず、法的手段も視野に)
もし未払いが発生したら?
- まずはメールや電話で催促
- 内容証明郵便を送付(法的証拠になる)
- 弁護士や行政機関に相談
- 最終手段として少額訴訟を検討
8.2 仕事の範囲が広がりすぎる(スコープクリープ)
「ちょっとした修正だから」「ついでにこれも…」
最初は小さな変更だったのに、気づけば追加作業が山積みに…。
これは「スコープクリープ」と呼ばれるフリーランスの宿敵。
特にエンジニアは「このボタンもう少し大きく…」→「やっぱり動きをつけて…」→「ついでにレイアウトも…」と無限に仕事が増えることが多い。
対策
- 契約書で「追加作業は別途見積もり」と明記
- 軽い修正でも「作業時間が増える」と伝える
- 追加作業のたびに見積もりを提示する
私も昔、「ついでにこのAPIも修正できますか?」と言われて安請け合いしたら、結局新機能を1から作る羽目になりました…。
追加作業は必ず契約に盛り込みましょう!
9. 知らないと損!フリーランスが活用できる制度
「契約や法律って面倒…」と思うかもしれませんが、実はフリーランスに役立つ制度もあるんです。
知っているだけで、トラブルを回避できたり、万が一のときに助かることも。
9.1 フリーランス新法(2023年施行予定)
「フリーランスが不利な立場になりやすい」という問題を解決するために、政府が新しい法律を準備中。
主なポイントは以下の通り。
- 報酬の遅延禁止(企業は正当な理由なく支払いを遅らせられない)
- ハラスメント禁止(不当な要求や圧力をかける行為を規制)
- 契約書の交付義務化(口約束を防ぐため、企業は書面で契約を提示する義務)
これが施行されれば、報酬未払いのリスクも減るはず!
とはいえ、フリーランス側も契約書をしっかり確認する姿勢は変わりません。
9.2 トラブル時に相談できる公的機関
フリーランスが困ったときに相談できる窓口もあります。
もし契約トラブルが起きたら、これらを活用しましょう。
機関名 | 相談内容 |
---|---|
日本司法支援センター(法テラス) | 法律トラブル全般(無料相談あり) |
フリーランス協会 | 契約・保険・法律相談 |
労働局・労働基準監督署 | 不当な契約・報酬未払いの相談 |
消費生活センター | 企業とのトラブル全般 |
10. フリーランスでも契約を武器にしよう!
フリーランスは自由な働き方ですが、その分「自分で自分を守る」必要があります。
特に契約トラブルは、エンジニアとしての仕事のやる気を削ぐ原因になるので、できるだけ避けたいところ。
まとめ
- 契約書は絶対に交わす!(「まあいいか」は禁物)
- 契約内容をしっかり確認(特に報酬・納期・仕事範囲)
- 未払いリスクを減らすため、証拠を残す(メール・請求書・発注書)
- トラブル時はすぐに対応する(後回しにしない)
- 公的機関を活用して対策をとる
エンジニアとしてスキルを磨くことも大切ですが、それ以上に「賢く仕事をすること」も重要です。
契約を味方につけて、ストレスフリーなフリーランスライフを送りましょう!